この月齢になると、体の発育がすすみ、ハイハイやおすわり、つかまり立ちをするようになり、小さなおもちゃをつかんだり、たいこを打ったりできるようになります。健診ではこうした運動面や精神面での発達をチェックさせていただきました。健診の場だけではお伝えしきることのできなかった、生活の注意点などを中心にご案内させていただきます。

離乳食

離乳食はまだまだ歯茎でつぶす時期。硬すぎないように気をつけて。

前歯が生え始めた子も増えてきますが、かんで食べるのはまだ先で、歯ぐきでつぶして食べています。中にはそのまま飲み込んでいる子も。丸飲みしているようなら硬すぎてつぶせないのかもしれませんから、柔らかさを調節してみましょう。離乳食が3回食に進んだら、間を4時間くらい開けて少しずつおとなと同じくらいの食事時間に近づけていきましょう。3回目の食事はあまり遅くなると胃腸に負担がかかります。遅くても夜7時には食べ始めるのが理想です。

自分で食べたい気持ちがいっぱい。手で持つことができるものがおススメです。自分で食べたい気持ちが強くなってくるので、手で持って食べられるものをメニューにプラスしてあげてください。煮た野菜やパンをスティック状にしたものや、小さなおにぎりがおすすめです。スプーンを持たせても、また口にじょうずに運ぶことができません。持ちたがったら持たせてあげて、お母さんが手を添えて食べさせてあげると満足します。

食べムラがあっても、そんなものだと思って、気にしないで。怒らないで。この時期は、食べムラもでてくるので食べる量がばらばらだったり、食器に手を入れてかき混ぜたり、わざとこぼしたり、また、好奇心が旺盛になって食事中なのにほかのことに気を取られてしまうこともあります。食事が進まない上に、周りを汚されるので、ついつい怒ってしまいがちですが、それではママも赤ちゃんも食事時間がつまらなくなるだけです。汚されて怒るよりも、汚されないように準備して楽しく食べるようにしましょう。ある程度の量を食べた後で、遊び出すようであれば、「もうおしまいね」と片づけてしまいましょう。

食事は楽しく。好き嫌いは決めつけないで偏らせない。また、好き嫌いも出てきます。今まで食べていたのに急に嫌がることもありますが、好きなものと混ぜたり、味付けや硬さを工夫したりするとすんなり食べることもあります。これは嫌い、これは好き、と決めて偏らせることは得策ではありません。嫌いなものも、好きなものに混ぜてみたりなど工夫をしてあげましょう。無理に口に押し込むと食事そのものが嫌いになってしまいます。ピリピリするよりも、食事を楽しい時間にするように心がけましょう。もちろん栄養バランスは大切ですが、バランス良い食事を毎食用意するのは大変なことです。1週間くらいでバランスがとれていれば大丈夫です。市販のものもじょうずに取り入れて、離乳食作りがストレスにならないようにしましょう。

また、栄養の主体は離乳食に移ってきますが、離乳食後の授乳を急いでやめる必要はありません。負担にならないのであれば、精神的な満足のためにも、欲しがるだけ与えましょう。

環境整備

「はいはい」は個人差あり。できるようになるまで焦らず見守って。できるようになったら環境整備。はいはいがとても上手になって、スピードも驚くほど早くなります。腰を上げてひざを浮かせて足を床につけた「高ばい」をする子もいます。また、目の前に、椅子やテーブルなどつかまるものがあると、つかまり立ちをする子もいます。最初はつま先で立つ不安定な格好ですが、だんだんと足の裏全体を使って体重を支えられるようになります。最初のうちはよく転んだり、ひっくり返ったりするので、机やテレビ台の角など、頭をうつと怪我しそうなところはあらかじめガードをつけてあげるようにしましょう。もちろん、なかなかはいはいや、つたい歩きをしない子もいます。はいはいをしないでおすわりからいきなりつかまり立ちする子、なかなか立とうとしない子もいます。順番もスタイルもそれぞれですが、いずれは歩けるようになるので、心配いらないことがほとんどです。特にはいはいは個人差が大きく出ますので、あせらないで気長に待ってあげましょう。

ママやパパが大好き。いてくれると安心。はいはいでの後追いも始まります。少しでもお母さんの姿が見えないと、泣きだしたり、はいはいで探しまわったり、ママの後を追ってトイレの中までついてきたりします。お母さんがそばにいてくれることで赤ちゃんは安心できるのです。家の中では、声がけをしたり、歌を歌ったりして、そばにいることを伝えるとてあげるといいでしょう。

なんでも興味がでてきて、お口に入れちゃいます。危険なものは届かないところに。はいはいで動けるようになった赤ちゃんは、気になるものを見つけると、それに向かって猛突進します。自分で確かめようとして、いろいろな物に手を出して、失敗することも多くなります。コンセントに指を入れようとしたり、流しの下から調理用具を引っ張り出したり、おいてあるものを端から倒していったり……。洗剤や化粧品、タバコなど、家の中には飲んだりなめたりすると危険な物がいっぱいです。叱っても、赤ちゃんにはまだ理解できません。あらかじめ、危険なものは手の届かないところにしまっておくことが大切です。とくにご家族がタバコを吸っている場合、空き缶を灰皿にしている方がいらっしゃいますが、これは特に要注意です。まちがって飲んでしまうと、タバコそのものを食べるよりも中毒症状が強くでますので、赤ちゃんのまわりでタバコ関連のものは置かないように注意しましょう。

なんでもおもちゃになります。このころから「ダメ」なものは「ダメ」としっかり教えてあげて「握る」から「つまむ」へとだんだんと手先の動きが発達します。指先がさらに器用になって、親指と人差し指を使って小さなものも上手につまめるようになります。中には親指と中指でつまむ子も。両手をコントロールすることもできて、両手に持った積み木をタイミングよく打ち合わせることも。

集中力もついてきます。しばらくの間、興味を集中していられるようになるので、ひとりで遊ぶ時間が長くなってきます。夢中になるとひたすら同じことを繰り返していることもあるでしょう。ティッシュの箱から紙がなくなるまで引き出すのも、このころ夢中になる遊びです。
真似ができるようになる子もいます。向かい合って、ママが「おつむてんてん」と頭にさわると、真似して頭に手をやります。バイバイと手を振ると同じように手を振ったり、「バイバイ」「アワワ」「バー」と大人の言葉をくりかえしたり。真似っこ遊びは、ご両親にとっても楽しいものです。真似をしない子もいますから、無理にやらせようとすることはありません。

この時期から大切なことはダメなことは「ダメ」とはっきり教えてあげることです。まだ、すべてがわかるわけではありませんが、少しずつですが、言うことがわかるようになってきます。危険なものに手を伸ばしたときには、ご両親は「ダメッ!」と真剣に伝えましょう。言葉の意味を理解しているわけではありませんが、強い声の調子や、ママの怖い表情などから、いけないことだと伝わります。

顔色をチラチラとうかがいながら、いたずらをする子もいます。これはかなり知恵がついてきた証拠。多少のいたずらには目をつむりながら、しっかり見守り、危険なものや場所に近づいたり、危ないものを口に入れそうになったりしたら、その場ですぐに「ダメ!」を。一度では覚えられないので、何回か繰り返すと思いますが、根気よく気長に教えましょう。

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