離乳食とは?
大きくなるにつれて、母乳又は育児用ミルク等の乳汁だけではエネルギーや栄養素が不足してきます。それを補完するために幼児食に移行する過程を”離乳”、その時期の食事を”離乳食”と呼びます。
また離乳食を通して、「乳汁を吸う」から「食物をかみつぶして飲み込む」という食べる動作を覚えていきます。自転車の乗り方を練習するように、食べる動作も練習が必要なのです。
離乳食を始めるタイミング
- 首がすわっている
- 支えると座ることができる
- スプーンを口に入れても押し出さない*
- 食べ物に興味を示している
*乳児特有の「口に入ってきたものを舌で押し返し、奥に入ってきたものを吸う」哺乳反射が弱くなってきていること。
目安の時期は、生後5ヶ月を迎える頃から6ヶ月です。早くても4ヶ月を過ぎてから、遅くても6ヶ月のうちには始めるようにしましょう。
離乳食の準備をしよう
タイミング
医療機関が開いている日中
※食後に発疹や嘔吐などがあった時は、すぐに医療機関に連絡、受診をしてください。
座り方
座れる子はいすに座らせてあげてください。腰が据わっていなかったり、いすを嫌がったりする場合は、お互いの顔が見えるように大人のひざの上に横向きに座らせ、片手で背中を支えてあげましょう。
離乳食は何をあげたらいいの?
固さ
なめらかにつぶした状態にしましょう。スプーンを傾けた時にとどまるくらいの緩さでOKです。
種類
1種類ずつ始めていきます。まずはおかゆ、すりつぶした野菜。慣れてきたら豆腐、肉、白身魚、固ゆでした卵黄と種類を増やしていきます。初めての食材は2~3日おきを目安にあげていきましょう。
はちみつは1歳まで禁物です!!(乳児ボツリヌス症予防のため)
母乳・育児用ミルク
今まで通り、お子さんが欲しがるたびにあげてください。
6ヶ月から特に必要な栄養素
鉄、亜鉛、ビタミンA、ビタミンD
これらは成長に必須ですが、母乳には少ない栄養素です。まず、鉄・亜鉛は赤身の肉・魚に多く含まれます。調理する際はしっかり火を通すなど衛生面に気を付けてください。市販の離乳食も有効です!
ビタミンAはしらすや鮭、レバー、色が濃い野菜(にんじんやかぼちゃ)に多いです。しらすはお湯をかけて塩抜きすること、レバーはビタミンAが過剰にならないよう週1回くらいにしましょう!
ビタミンDもしらすや鮭に多く含まれます。さらに、日光を浴びると紫外線から生成することもできます。食べ物と日光の両方から栄養素をゲットしたいですね!
どのくらいあげたらいいの?
まずは1日1回1さじから
飲み込む動作を練習して、食べ物の舌ざわりや味に慣れることが大切です。
日中にあげることが前提ですが、嫌がるときに無理してあげる必要はありません(気分じゃないのかも)。様子を見ながらトライをしてみてください。
量は1さじを2~3日間、2さじを2~3日間と少しずつ増やしていきましょう。
飲み込む動作とは?
上唇を閉じて舌を前から後ろに動かしてごっくんすることです。
- 離乳食をスプーンの先端2分の1から3分の2くらいのせる
- スプーンを近づけて、口が空いたら下唇にスプーンをのせる
- 赤ちゃんの口が閉じるまで待つ
- 口が閉じたら、水平にゆっくりスプーンを引き抜く
上唇や口のなかに食べ物をこすりつけないよう注意してください。
離乳食を嫌がるときは?
離乳食3大お悩みである、
- 「食べない」
- 「好き嫌い」
- 「時間がかかる」
は、誰しもが経験します。どうしても根気が必要です。
離乳の進め方は?
ポイントは「どの動作ができるか」です!
ゴックン期(5~6ヶ月)
- すりつぶした食材を「飲み込む」時期《目標:飲み込めること》
- つぶし粥から慣れてきたら野菜、豆腐、肉魚、卵黄などを順番に試してみる
- 栄養摂取よりも「食材体験」と「飲み込む練習」
モグモグ期(7~8ヶ月)
- 食材を「舌でつぶして」食べる時期《目標:舌で食材をつぶせる、2回食》
- 離乳開始から1か月くらいを目安に開始。 2回食で食事リズムをつくる。
- 固さが不安な場合は、市販のベビーフードを参考にする
カミカミ期(9~11ヶ月)
- 食材を「歯茎でつぶして」食べる時期(=かむ練習)《目標:3回食》
- 手づかみ食べをはじめていきましょう。
- 家族と一緒に食卓を囲む経験、を通して食事をする習慣を育めるとGOOD!
ミルクはいつまで飲ませていいの?
厚生労働省の離乳ガイドでは、「離乳の完了とは、母乳を飲まなくなることではなく、大部分の栄養素を食事からとるようになること」と明記されており、12ヶ月~18ヶ月を目安にしています。
離乳が完了する頃に母乳・育児用ミルクを欲しがることもあります。卒乳には個人差があるため、気になる方はかかりつけ医に相談してみてください。
おわりに
子供は十人十色なので離乳食には正解はありません。何か不安なことや心配事があればいつでもご相談ください。
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