ロタリックスとロタテック

  • ロタウイルスは冬場に乳幼児、学童が罹る胃腸炎で最も多い原因の1つです。
  • 特に生後6か月〜2歳までに多く、胃腸炎症状が重症化しやすいウイルスです。
  • 2歳未満のこどもがロタウイルス腸炎に罹ると10人に1人は入院が必要であり、重症化しやすいため、ワクチン接種をお勧めします。

このページでは、ロタウイルスワクチンである「ロタリックスとロタテックの特徴」をご説明しています。

ロタリックスとロタテックの特徴​

最終的な効果に関しては大きな違いはありませんのでどちらを接種してもかまいません。ご希望のワクチンの接種が可能です。また、ご不明な点がございましたら、スタッフ・医師にお気軽にご相談ください。

※ロタウイルスワクチンは接種できる月齢に期限があります。他の多くのワクチンと異なり、接種期限を超えると接種できませんのでご注意ください。

ロタウイルス感染症とは

症状

白色で酸っぱい匂いのする大量の下痢が1週間程度続くのが特徴で、病初期に嘔吐や発熱を伴うこともあります。嘔吐、下痢による脱水が最も大きな合併症で、その他には、痙攣・脳症・腎不全・腸重積などの合併症もありますので注意が必要です。

診断

多くの場合は、便の色や下痢などの臨床症状から診断が可能です。

治療

ウイルス感染によるものですので、ウイルスに対する特効薬はありません。脱水予防、脱水に対する治療が基本となります。

予防

2011年秋に日本でもロタウイルスワクチンであるロタリックス、2012年8月からロタテックの接種が可能になりました。どちらもロタウイルスを弱毒化した内服生ワクチンです。欧米では数年前に導入され、ロタウイルス腸炎は劇的に減少しました。

ロタウイルスの中にもいくつか種類があり、ヒトに感染することがわかっているのはA、B、C群の3つで、一般にロタウイルスといえばA群を指します。B群は以前に中国で流行しましたが日本ではみられません。C群ロタウイルスによる胃腸炎は主に3歳以上の年長児や成人にみられ、A群のような大規模な流行は殆どありません。

乳幼児の初感染は重症化する危険性がありますが、再感染も多く、年齢が上がるにつれ症状は軽くなります。ご不明なことがあれば、診察の際にぜひご質問ください。

ロタリックスとロタテック

ロタリックス

材料ウイルス ヒトロタウイルス(G1P[8])を弱毒化
ウイルス量 106個(ヒトロタウイルスなのでよく繁殖する)
周囲への感染
(腸からのウイルス排せつ量)
多い(ヒトロタウイルスなのでよく繁殖する)
腸重積との関連 なし
効果 このワクチンはG1P[8]1種類のロタウイルス株のワクチンですが、他の種類のロタウイルス(G2P[4]、G3P[8]、G4P[8]、G9P[8])に対する予防効果も認められています(ほとんどのヒトロタウイルス胃腸炎に有効です)。
国際的な研究では、重症ロタウイルス胃腸炎には96%の有効率を示し(欧州6カ国の成績)、すべてのロタウイルス胃腸炎に対しては82%の有効性(シンガポールの成績)という報告があります(その他にも、いくつもの報告があります)。
対象年齢 生後6週0日〜24週0日
1回目生後6週〜20週0日
2回目〜24週0日
接種回数 2回(4週間以上の間隔をおいて)
特徴 1価のワクチン(1種類のウイルスが入っている)
初回ではこのワクチンの型しか免疫が獲得されない
2回接種することで、他の型への交叉免疫も獲得される
利点 接種回数が少ないので、スケジュールを組みやすい
欠点 2回接種しないと他の型への免疫は獲得できない
接種期間が24週と短い

ロタテック

材料ウイルス ウシロタウイルスのV7に、ヒトロタウイルスのG1,G2,G3,G4を組み入れたリアソータント(遺伝子組み換え)のウイルス4種と、ウシロタウイルスVP4にP[8]遺伝子を組み込んだリアソータントのウイルス1種の計5種のウイルスを混ぜてある
ウイルス量 10*7〜8個(ウシロタウイルスでヒト腸内での繁殖が悪いため、ワクチンのウイルス量を多めにしている)
周囲への感染
(腸からのウイルス排せつ量)
少ない(ウシロタウイルスなのでヒト腸内での繁殖が悪い)
腸重積との関連 なし
効果 このワクチンは、G1、G2、G3、G4、P[8]が含まれているため、ヒトに病原性を持つG1P[8]、G2P[4]、G3P[8]、G4P[8]、G9P[8]の全てのロタウイルスをカバーした予防効果が認められています。
国際的な研究では、重症ロタウイルス胃腸炎には98%の有効率を示し、入院を94%減らし、すべてのロタウイルス胃腸炎に対しては74%有効だったという報告があります(Vesikari,etal.NEnglJMed2006;354:23-33.)(その他にも、いくつもの報告があります)。
対象年齢 生後6週0日〜32週0日
1回目生後6週〜24週0日
2回目〜28週0日
3回目〜32週0日
接種回数 3回(4週間以上の間隔をおいて)
特徴 5価のワクチン
初回から5つの型への免疫が獲得できる
3回飲むことで、免疫がより確実になる
利点 3回飲むので免疫がより確実になる
32週まで接種することができる
欠点 病院へ行く手間は1回多い

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