ポイント!
- とびひは、細菌が皮膚に感染して水ぶくれやかさぶたができ、それが「飛び火」のように体のあちこちに、次々と広がってゆく病気です。
- 症状にあわせて、抗生剤の入った軟膏や飲み薬を使用します。
- 人にうつるので、家族でのタオルの共有やプールは避ける必要があります。
- 大切なのは予防と、カラダの他の場所に広がらないうちに治すことです。
とびひってどんな病気?
細菌による皮膚の感染症
「とびひ」の正式名称は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といい、細菌を原因とする皮膚の感染症です。うつりやすい膿(うみ)をもった発疹(ほっしん)が特徴です。
すり傷・虫刺され・湿疹・汗疹(あせも)などで皮膚をかきむしり、そこにできた浅い傷にバイ菌が入ることで、赤く腫れ、水ぶくれ(水疱)やじゅくじゅくした状態(膿痂疹:のうかしん)を形成して起こります。
また、アトピー性皮膚炎の患者さまのように、皮膚のバリア機能が低下している場合にも起こりやすいです。とびひの原因は主に、「黄色ブドウ球菌」と「レンサ球菌」という細菌です。
全身に広がったり、感染しやすい
とびひの水ぶくれ(水疱)やじゅくじゅくした状態(膿痂疹)の中には、バイ菌が入っています。この液がしみ出たり、破れたりして周りの皮膚の傷が付いた部分に触れると新しい水疱や膿痂疹ができます。
患部をかいた手で他の場所に触れると、同じような発疹があっという間に全身に広がります。同じように他の人にも感染しますので、注意が必要です。
とびひの治療方法
塗り薬や抗生剤
症状が軽く、あまり全身に広がっていない時は、抗菌薬の入った塗り薬を使用します。とびひが全身に広がっている場合は、塗り薬に加えて抗生剤の内服を5〜7日間ほど行います。治療を開始してまず2〜3日目に、治療が適切であるかの効果判定を行います。改善が悪い場合は皮膚の細菌培養の検査をして抗生剤の変更を行います。
かゆみがひどい時には、痒み止めの薬(抗ヒスタミン薬)を使う場合もあります。
とびひの合併症
とびひの原因菌である「黄色ブドウ球菌」や「レンサ球菌」が原因となって、他の病気を発症することがまれにあります。
代表例としては、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(別名SSSS:フォーエス)という病気です。これは、黄色ブドウ球菌というバイ菌が作り出す毒素が血液の中に入ることで起こります。高熱を出し、皮膚がやけどのように真っ赤に腫れて、水ぶくれのようになります。
そして、触っただけで皮膚がはがれてしまい、非常に痛がります。多くは入院して治療が必要です。とびひの治療を適切に行い、薬で菌をしっかりと退治しておくことで予防することができます。
家庭でできる治療法
- お風呂はシャワーにし、石鹸をよく泡だてて、やさしく患部を洗い流しましょう。菌を洗い流し、皮膚を清潔に保ち、新たに発疹ができないようにすることが、治りを早くするコツです。
- 家族にうつらないよう、タオルや衣服は共用しないようにしましょう。
- 基本的に、ガーゼや包帯などで患部を覆って接触しないようにした状態で、登園・登校は可能です。 ただし、園や学校によって独自のルールがある場合もあるので、その指示に従ってください。 また、プールはとびひがすべてかさぶたになるまでは禁止です。
- 普段から爪を短く切り、かきむしらないようにすることも大事です。 そして、毎日石鹸で手洗いをする習慣をつけましょう。
以上のことを頭に入れ、適切な治療、そして予防をすることでとびひの拡大を防ぎ、治療することができます。しっかりと医療機関を受診し、皮膚の状態を評価し、適切な治療を受けることをおすすめします。
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