ポイント!
- ケガをした場合は、傷口に付着した異物や細菌を水道水でしっかりと洗い流すことが何より重要です。
- 消毒薬は傷口の修復力を遅らせてしまうので、通常使用しません。
- 傷口の湿潤環境を保つドレッシング材を貼り、かさぶたを作らずに傷がふさがるのを待ちます。
傷口に対する新しい考え方
従来、傷が出来たときには、ご家庭で毎日消毒をして、ガーゼや絆創膏で傷口を覆ったり、傷口を乾燥させ、かさぶたが出来るのを待ったりしていた方も多いと思います。
最近になって、消毒液はむしろ傷口の治りを悪くさせるので不要であり、傷口は水道水で十分洗い流すことがなにより重要であることが分かってきました。また、傷口を乾燥させることなく、かさぶたを作らずに治すほうがきれいに治るということも分かってきて、傷口の処置に対する考え方は変化しています。
最新の傷口に対する処置についてご説明します。
ケガをしたときの処置方法
Step1. 水できれいに洗い流す
傷が出来たとき、周囲の皮膚や傷口の下の細胞からはいろいろな種類のサイトカインと呼ばれる化学物質が出て、傷口の修復を開始します。消毒薬は、傷口を修復しようと働いている細胞を破壊してしまうため、消毒薬を直接傷口に使用すると傷の治りが遅くなってしまいます。異物や汚れ、細菌、血の塊などを十分に洗い流することが、傷口をきれいに治すためにとても大切です。汚れや細菌が残ったままだと、傷口から感染を起こしてしまいます。
また、水道水は洗浄液として安全で効果的であるといわれています。たっぷりの水道水か生理食塩水で十分に洗い流しましょう。
Step2. 「湿潤環境」を維持する
傷口の細胞から出るサイトカインという物質が周囲の細胞にいろいろな信号を出すことで、細胞の移動が起き、傷口を埋める肉芽組織、上皮が出来あがっていきます。傷口が乾燥していると、有効なサイトカインが目的の細胞に届かないほか、細胞が移動できず、皮膚の再生が進みません。
傷口からは黄色透明な液体がにじみ出てきますが、これを「滲出液(しんしゅつえき)」と言います。滲出液は傷口を修復するサイトカインが目的の細胞に届くように、傷口を湿潤に保っています。
しかしその一方で、滲出液にはエラスターゼなどの組織を傷害してしまう酵素も含まれているため、滲出液が多すぎても傷は治りにくいと言われており、適度に浸出液を吸収することも必要です。したがって、傷口の治癒には、乾燥させない程度に「適度な湿潤環境」が必要なのです。
最近は、外部の刺激から傷口を保護しつつ、適度な湿潤環境を維持することができる新しいタイプの被覆材が市販されています。『キズパワーパッド』、『ハイキュアパッド』などが代表的な商品です。
これら新しいタイプの被覆材は、傷を密閉して菌の侵入を防ぐ一方、傷の治癒に有益な浸出液を適度に吸収、保持して、傷の治りに最適な環境をつくることが出来ます。小さな切り傷、擦り傷、靴ずれ、軽度の火傷などは、従来の絆創膏よりきれいに傷口を治すことが出来ます。
Step3. 浸出液の膨らみが端まで達したら貼り換える
被覆材は貼り替えずにできるだけ長く貼ったままにしたほうが、傷の治癒に最適な環境を維持し続けることができ、傷の治りが促進されます。そのままお風呂に入ってもかまいません。
しかし、端がはがれてきたり、浸出液(白いゲル状の膨らみ)がパッドの端まで達した時は、傷口を密閉できず、水や菌が侵入し、感染を起こして化膿するおそれがあるので貼り替えて下さい(詳しくはそれぞれの製品に添付されている使用方法をよくお読みください)。
こういう時は注意!!
すでに感染の合併を疑う傷(腫れや熱感、膿を伴っている傷)や、人間、動物による噛み傷には、上記のような新しい被覆材を使用してはいけません。密閉することにより傷口の感染を悪化させる可能性があるからです。
貼っているうちに、傷口の腫れや赤み、痛みがどんどん強くなる時は、傷口の感染が疑われるため、すぐに被覆材をはがし、病院を受診してください。すでにかさぶたになっている傷に使用すると、はがす時にかさぶたがくっついて再び傷つけてしまう可能性があるので、使用しないでください。
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大阪府 | 岸和田市 | 東岸和田 |
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