ポイント!
- こどもの手の届くところにたばこを置かないようにしましょう。
- 症状が出た場合、たばこを2cm以上食べてしまった場合、たばこを浸した液体を飲んでしまった場合には、胃洗浄が必要なため、医療機関を受診しましょう。
- 4時間たって症状が出なかったら、問題ありません。
たばこの誤飲は誤飲事故の中でも多い
日本では、間違って乳幼児がいろいろなものを飲み込んでしまう(誤飲)事故の頻度が、他の国と比べて高い傾向にあります。これは、床に直接座って生活するスタイルが、低い位置にものをおく習慣としてあるからと言われています。
子供の誤飲事故の中でも一番多いのは、実は「たばこの誤飲」です。誤飲する年齢には、17か月以下の乳幼児が多く、特に生後6か月から11か月児に最も多いと言われています。市販の紙巻たばこ1本中には、16〜24mgのニコチンが含まれています。ニコチンは非常に毒性が強く、成人の致死量は40〜60mg、幼児では10〜20mgです。
しかし、たばこに含まれるニコチンは、胃の中では酸性状態となるため、ニコチンが葉っぱから溶け出したり、吸収されるのに時間がかかる特徴があります。また、ニコチンが吸収されると嘔吐を引き起こす作用があるため、過度に吸収され重篤な症状となることはまれと言われています。
また、たばこを水に浸すと、30分程度でたばこの葉に含まれるニコチンが100%溶け出します。そのため、灰皿などのたばこの吸い殻が浸った液体を摂取してしまうと、ニコチンが大量に吸収されてしまい、重篤な中毒症状が出ることがあります。
たばこを誤飲したときの中毒症状
- 吐き気、嘔吐
- 口の中が焼けるような感じ
- 唾液分泌の増加
- 腹痛、下痢
- 顔面蒼白
- 興奮
- 頭痛
- 手足の震え
- 冷や汗
- めまい 視力障害
- 呼吸が速くなる
といった症状が出ることがあります。かなり重篤な場合には、
- 呼吸困難
- 全身の痙攣
- 呼吸停止
といった症状が出ます。
症状が出現するのは、摂取してから、嘔吐は10〜60分以内、その他の症状は2〜4時間以内と言われています。4時間以上たっても無症状の場合には、その後症状が出てくることはほぼありません。
たばこを食べてしまったことに気づいたら
吐き出させ、水分は与えない
たばこの中の成分であるニコチンに対しての治療薬(解毒薬)は存在しません。たばこの誤飲に気づいたら、いつ、どのくらい、どのような状態で摂取したかを確認し、その時点で吐き出させることが原則です。
また、たばこの葉や吸い殻を誤飲した場合は、牛乳など水分をとらせないようにしましょう。牛乳などの水分をとると胃の中の酸性度が低くなってしまい、たばこの葉からニコチンが溶け出しやすい状態になってしまうからです。
家でできること
家でできることとしては、まずは乳幼児の口の中のたばこをかきだし、乳幼児を床の方を向かせて、手を口の奥に入れて嘔吐を誘発させます。
しかし、乳幼児の場合、たばこを口の中に入れても実際に飲みこんでしまう量は少なく、ある程度吸収され始めても、ニコチンの嘔吐を誘発する作用により吐き出してしまう例が多いとされています。しかし、食べたたばこが2cm以下の場合には、そのまま様子を観察し、摂取後4時間は経過を見て、特に症状が出なければ問題ありません。
上記に挙げたなんらかの症状が出てしまった場合や、2cm以上食べてしまったり、たばこを浸した液体を飲んでしまったら、胃洗浄が必要になりますので、医療機関を受診して下さい。
こどもの誤飲で一番重要なのは、「予防」です。飲み込んで危険なものは極力お子さんの手が届くところにおかないように心がけましょう。普段の生活環境の整備もお子さんの健康を守る重要な要素ですので、是非一度身の回りの見直しをしてみるのもいいでしょう
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