ツロブテロール貼付薬ってなあに?

ポイント!

  • ツロブテロール貼付薬は咳を止める薬ではありません。
  • 狭くなった気管支を広げる効果があります。
  • 気管支炎で気管支が狭くなった状態を緩和したり、気管支喘息長期コントロール薬として使用します。
  • 薬の効果が出るまでに6〜8時間程度かかります。24時間以上持続して気管支を広げる効果があります。
  • 副反応、副作用として、体液の中に入っているカリウムという大切な物質が体外に出て、筋力の低下や動悸、不整脈などを引き起こしたり、重篤なアレルギー症状を呈する場合もあります。

ホクナリンテープ、セキナリンテープ、ツロブテロールテープは「ツロブテロール」という成分が入っています。気管支や心臓を刺激して、気管支を広げたり、脈を速くする効果があるものです。(正確には気管支に対して強く反応し、心臓に対しては反応しにくくなっています。)ホクナリンテープ(ツロブテロール貼付薬)の裏にはこの薬が塗ってあり、貼るとじわじわと皮膚から薬が吸収され、6〜8時間後に血中濃度が上がり、24時間以上持続して気管支を広げる効果があります。

夕方に貼っても朝まで効果が持続するので、早朝に起こる喘息発作を予防することができます。喘息の発作とは、息を吐くときに気管支が狭くなってヒューヒュー、ゼーゼーすることを指し、咳だけの症状では喘息発作とはいいません。 注意していただきたいのは、「咳の症状にはホクナリンテープは効かない、ホクナリンテープは咳止めのお薬ではない」ということです。また、ホクナリンテープは喘息発作の予防には効果がありますが、既に起こっている喘息発作をすぐに止めることはできません。効果が出るまで、あまりにも時間がかかり過ぎるからです。

少し専門的な話になりますが、ツロブテロール貼付薬(ホクナリンテープ)の効能は「下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解:気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫」と、製薬会社発行の添付文書に記載されています。 この「気道閉塞性障害に基づく」という部分に注目してください。気道閉塞性障害とは、気管支喘息、気管支炎で気管支を取り巻く筋肉が炎症によって分厚くなり、呼吸困難となる症状のことを指します。簡単に説明すると、ヒューヒュー、ゼーゼーし、息が吐きにくくなる症状のことです。この症状を緩和するものがホクナリンテープで、咳を止める効果は添付文書には一切書かれていません。 つまり、ホクナリンテープは気管支を拡げる「気管支拡張薬」であり、基本的に咳を止めるお薬ではありません。咳は喉から肺までの異物(痰、唾液、食物)などを外に出すための防御反応であり、気管支の筋肉が厚くなることとは無関係です。 もう一度お伝えしますが、ホクナリンテープは咳止めのお薬ではないのです。

また、気管支の筋肉に作用するだけでなく、心臓や他の臓器にも作用し、副反応、副作用の心配もあります。具体的には、体液の中に入っているカリウムという大切な物質が体外に出て、筋力の低下や動悸、不整脈などを引き起こしたり、重篤なアレルギー症状を呈する場合もあります。 貼るお薬は手軽ではありますが、危険も付き物です。咳が出たからホクナリンテープという考え方は誤っていますので、本当に必要な状態なのかを確認して使用しましょう。 ホクナリンテープの処方を受けた時も、実際に「閉塞性障害=ヒューヒュー、ゼーゼー」といった症状があるかを確認し、本当に必要かを保護者の方自身でも確認してみてください。必要なお薬を必要な時に使うことがお子さんの健康を守ることにつながります。

キャップスクリニックでは、問診に喘息などで起こる「閉塞性障害=ヒューヒュー、ゼーゼー」といった症状があった場合、実際に聴診器で胸の音を聞いて、ヒューヒュー、ゼーゼーが認められ、その症状の改善に必要と判断した場合はホクナリンテープを処方しています。 適正な薬の選択と使用はお子さんの健康を守る第一歩です。お子さんに薬を飲ませるのに苦労するということを保護者の方からよくご相談をうけます。内服薬を飲ませる意味合いをそれぞれに処方された薬で理解し、そして、薬の形態を把握し、どのように薬を使うのが効果的かを保護者の方と一緒に考えることが、お子さんの治療を行う上で重要です。

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